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2016年10月

2016年10月21日 (金)

椰子の實


名も知らぬ遠き島より

流れ寄る椰子の實一つ


故郷(ふるさと)の岸を離れて

汝(なれ)はそも波に幾月


舊(もと)の樹は生ひや茂れる

枝はなほ影をやなせる


われもまた渚を枕

孤身(ひとりみ)の浮寢の旅ぞ


實をとりて胸にあつれば

新(あらた)風

道を誘なう


海の日の昇るを見れば

激(たぎ)り来る

未知への心


思ひやる八重の汐々(しほじほ)

いづれの日にか

大海を知らむ




@言うまでもなく、原詩は島崎藤村の「椰子の實」です


2016年10月20日 (木)

蟬告解


蟋 蟀


戸 に あ り て


仲 秋 に


蟬 が 鳴 く


木 犀 の


香 の 名 残 り


い に し え の


海 原 は


海 人 の


雲 に 満 つ


雨 後 晴 天


雲 破 れ


秘 め し 色


流 る る 処




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